福祉をしようよ~!!

レポート00049  2010.1.31
スーパービジョン10
5年前にスーパービジョンを学び始めました。奥が深くまだまだ自分のものにできていませんが、
今まで学んできたことを少しレポートとして、記載してみたいと思います。

スーパービジョンとは、 「対人援助を行う施設や事業所等において、スーパーバイザーによって行われる専門職としての援助者を養成する過程である。」(植田寿之)


個人スーパービジョン
個人スーパービジョンとは、スーパーバイザー1人と、スーパーバイジー1人が1対1の形態で行うスパービジョンのことである。



1.個人スーパービジョンの利点
1)スーパーバイジー(以後、バイジー)の思いに沿って、1つのケースを深く掘り下げることができる。


2)バイジー個人の、自己覚知や自己実現に関する個別の問題を取り扱うことができる。


3)グループではバイアスがかかり、表現することのできない繊細な問題を取り扱うことができる。


4)スーパーバイザーのバイジーへの関わりを、バイジーと要援助者との関わりの見本とすることができる。


倉石哲也氏:
「個人スーパービジョンを通して、スーパーバイジーは本当に必要な情報や知識を得ることができる。同時に自己覚知や自己洞察が可能となり、援助者としての成長を促すことになる。



2.個人スーパービジョンの課題
1)福祉の実践現場は、慢性的に忙しいため、マンツーマンで話す時間が取れない
→個人的に先輩や上司とお酒を飲みに行ったり、食事を食べに行くことはスーパービジョンとは成り得ない。それは、相性などの影響され、特定された関係の上で行われるものであるから、スーパービジョンのために時間を取ったとは言えない。
※ただ、飲みに行ったりしてコミュニケーションを図ることはとても大切です。


2)個人スーパービジョンを行えるスーパーバイザーが育っていない
→スーパーバイザーには、スーパービジョンに関する高度な能力と、しっかりとしたスーパービジョン関係を結ぶためのスキルが必要である。

3)個人スーパービジョンを行うために、外部からスーパーバイザーを導入する必要性を、事業所や施設が感じていない



3.個人スーパービジョンを行うために必要なこと
1)ラポールの形成
→スーパーバイザーとバイジーとの間に信頼に基づいたスーパービジョン関係が築かれていないと、スーパービジョンを行うことは難しい。日頃からコミュニケーションを図り、信頼関係を築いておく必要がある。


2)時間を決めてしまう
→スーパーバイザーは、立場的に忙しい人たちが多いのは確か。しかし、1週間のうちに30分の時間が取れないほど忙しい人はあまりいないはず。

→「忙しい、忙しい」と言っているのは、バイジーと向き合うのを避けているのでは・・・と自分に問いかけてみてください。


こんな風にしてみたら・・・
①バイジーから相談があった時に忙しければ、「2月2日の10時から話をしよう」という風に具体的な日時を決め伝えその場を去る。

②スーパーバイザーが、バイジーの負の変化に気付いた時も、自分の予定を見て、都合の良い具体的な日時を決めて声をかける。相手の都合が悪い場合もあるので、3つくらい候補の日時を決めておく方がよい。


3)スーパーバイザーにもスーパーバイザーが必要
→スーパーバイザーもバイジーから様々な悩みや葛藤を相談されるうちに、自分自身の気持ちが落ち込んでいったり、葛藤を抱えてしまうため、自分自身をスーパービジョンしてくれるスーパーバイザーの存在が不可欠



このレポートは、 
対人援助のスーパービジョン よりよい援助関係を築くために (植田寿之著,中央法規,2005)
スーパービジョンの方法 ソーシャルワーク・スキルシリーズ
(相澤譲治著,北川清一・相澤譲治・久保美紀監修,相川書房,2006.4)
を参考にして書いています。


植田寿之先生のホームページ

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