レポート00033 2009.1.8 ケアマネジメント−ケアプランづくりのタブー |
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サービス計画書(1)Aを作成する上で、やってはいけないことについて説明しています。 | |
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「ケアプランづくりを、サービス内容からスタートさせてはいませんか?」 ケアプランづくりは、必ず「ご本人の望む生活」から始まります。 しかし今まで、『ケアプランづくりをサービス内容からスタートさせているもの』にいくつも出会ってきました。 こういったケアプランは、以下のような特徴があります。 @利用者や入所者の出来ない部分、問題となる部分(介護者が困っていること)を改善しようとしている。 A目標が後付けになっているため、つじつまが合わなかったり、取って付けたような違和感のあるものとなってしまう。 つまり、利用者や入所者が主役になっていないケアプランが出来上がってしまいます。 野球を例にすると、 「野球部を甲子園に出場するには、A君の打力をアップさせないといけない」と、監督はA君に1日1000回素振りをするようにプランを立て実行させました。 ところが、A君は打力がアップしませんでした。それは、嫌々素振りを行っていたからです。 よくよく尋ねると、本人はマネージャーとして他の部員をサポートしていき、一緒に甲子園に出場したいという希望を持っていました。 監督とA君の間には、「甲子園」という同じキーワードがありますが、その思いは全く違うものです。これでは、A君の自己実現を叶えることは出来ません。 A君を利用者・入所者の方に、監督を介護者に置き換えて考えると、介護の世界でも同じようなことが起きているのではないでしょうか!? 例えば、 骨折で1ヶ月入院した後、両下肢の筋力が衰えてしまったBさんに対して、「両下肢の筋力の衰え」という部分だけに着目してしまうと、必要のない(少なくともご本人は必要としていない)歩行訓練や筋力トレーニングを強いることになるかもしれません。 だから、まずBさんご本人の望む生活をきちんと聴く必要があります。 すると、 「近所にいる孫に1人で会いに行きたい。」とBさんは言いました。 「1人でお孫さんに会いに行くためには、しっかりと歩けるようにならないといけませんね。」と援助者。 「そうじゃね、しっかりと歩く練習をしないといけんね。リハビリを頑張るよ。」とBさんは、前向きに歩行訓練に臨むことが出来ました。 このように、同じ歩行訓練という援助内容でも、 「問題点」からスタートしたものと、「ご本人の望む生活」からスタートしたものでは差が歴然となります。 |
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ケアプランづくりでは、ご本人の望む生活をしっかりと聴き(察し、感じ)、真のニーズを掴むことが非常に大切です。 『ケアプランづくりは、ご本人の望む生活からスタートを!!』 が合い言葉です。 このレポートは、 『改訂 介護支援専門員実務研修テキスト』(財団法人長寿社会開発センター)と 生活施設のケアプラン実践 施設ケアマネジャーの役割と可能性 (中央法規出版)を参考にしています。 |
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