森田 真里 さん

令和3年6月9日(水)、この2月周南市河東町に移転した相談支援センター拓未の事務所で、相談支援専門員の森田真里さんにインタビューさせていただきました。

森田さんは、今年の春、東京から山口県周南市に移り住み、4月から相談支援センター拓未で相談支援専門員として活躍されています。
「相棒ができた」と喜んでいる同センター管理者の末田真由美さんにも、少しお話をうかがいました。


藤本:福祉の仕事を始めたキッカケは何ですか?
田:介護・福祉業界の扉を開いたのは、ホームヘルパーで仕事を始めたこと。
ホームヘルパーになるキッカケは祖母です。父が早くに亡くなり、子どものときに母方の祖母と一緒に暮らしていたことがありました。その祖母がアルツハイマー病になってしまい、母親が介護をしていたんですが、とても苦労していましたので、どこか近くでお手伝いできないかと思って介護の仕事を始めました。
これからの社会で必要になるし、技術的なものを身に付けたかったというのもあります。自分の子どもが小さかったので、ライフスタイルに合わせた働き方ができるようにホームヘルパーを選びました。

藤本:その後、どんなキャリアを歩まれたんですか?
森田:介護福祉士の資格を取得して、サービス提供責任者になりました。10年間働いて退職した後、特定非営利活動法人ミューの就労継続支援B型事業所(ワークショップMEW)の臨時の指導員として働き始めました。そこで障害者福祉にはまってしまいました(笑)。後に正社員となりそこで5年間、その後、相談支援事業所に異動となり、ここに来るまで勤めていました。


藤本:山口県周南市に来た経緯を教えていただけますか?
森田:父を亡くしてから、夏休みには毎年、父の実家がある周防大島町に遊びに来ていました。その頃から、山口県の田舎の風景に惹かれていました。

藤本:へぇ、そうなんですね。
森田:それから、山口県には私と妹をすごく可愛がってくれた叔母が2人いるんですけど、その内の1人の叔母が4年前に体調を崩して、滅多に弱音を吐かない人だったのに、その時は自分を頼ってきて、その叔母がずっと人のために生きてきた人だったので、これは手を貸さない訳にはいかないということで、年に4回くらい山口に来ていました。それでますます惹かれていきました。東京でやさぐれながら(笑)仕事をしていたので、こちらにくるとすごく癒やされたんだと思います。

藤本:やさぐれながら、ははっ。
森田:で、その内にコロナ感染が広がってきて、東京から山口に来るわけにいかなくなったんですね。このまま何か叔母に起こってしまったら後悔すると思い、「ふるさと回帰支援センター(地方暮らしやIJUターン、地域との交流を深めたいみなさんをサポートするために、東京・大阪を除く45道府県の自治体と連携して地域の情報を提供し、都市と農村の橋渡しによって地方の再生、地域活性化を目指している認定NPO法人。)」に1年半くらい通って、周南市周辺のことを調べました。
その中にハローワークがあって、仕事を捜していたところ、「さわやか会」につながったんです。家族には前から言っていましたが、まさか行動に移すとは思っていなかったようでした(笑)。


藤本:こちらに来ていかがですか?
森田:良かった。都会のゴミゴミするところで暮らすより本当に良いです。時間がたっぷりの使えるのが嬉しい。

藤本:末田さん、相棒ができていかがですか?
末田:最初、びっくりしましたよ、東京から応募があったときは。ただ、直感的に波長が合うなと感じました。実際に一緒に働いてみて、相談できる相手がいるというのはこんなに良いものかと。ダラダラと仕事しなくなったし・・・(笑)。

藤本:何かやってみたいと思うことはありますか?
森田:自分は食べ物を作ったり、振る舞うのが好きなので、朝、学校に行く途中の子どもたちにおにぎりやお味噌汁を出したり、お年寄りと一緒に食べるものを作って誰かに食べてもらうようなことがやってみたいですね。食を通じて孤独を作らないインフォーマルな取組がしたいと思っています。小料理屋みたいなものも面白いなぁ。食べ物は人をつなぐと思います。

向こうでは目の前のことをやることで精一杯で、仕事以外で「思い」のある人が集まることがありませんでした。こちらでは、自分の分野以外の人ともつながっていきたいと考えています。

末田:今、恐る恐る人を紹介しています(笑)。点がつながり合って、線になれば面白い化学反応が起こるんじゃないかと。東京をはじめとして他の地域との関係人口が増えると良いなぁと思っています。

 

お二人のお話を聴いて、「縁」の面白さや奥深さを感じました。小さな伏線があって、それらがつながった時に大きな縁となる。このことは、福祉の取組や教育、まちづくりにも役立つ法則のように思えます。
私たちが今していることは、小さいけれど、1つの線(縁)となってつながっていくまで、愚直に続けていくことが大切なんだと気づかせていただきました。

「食で人をつないでいく」という願いが叶えられるように、私たちも全力でお手伝いさせていただきたいと思います。

本日は、本当にありがとうございました。