007-008 藤はら拓さん・有梨沙さん

藤はら拓さん・有梨沙さん

「ホタルを見ながら・・・」

2021.4.24(土)、周南市が行っている就農のパッケージプランで鹿野に移住してこられた藤はら拓さん・有梨沙さんご夫妻にお話をうかがいました。

場所は、なんと有梨沙さんがトマトを作っているビニールハウスの前。


○鹿野に来た経緯

有梨沙さんは、周南市が行っている就農のパッケージプラン(トマトとわさびを作る鹿野)に応募し、1年間農大で、徳佐でトマト(半年)、錦でわさび(5ヶ月)を勉強した後、鹿野にやってきました。このプランの2期生です。

今、3年目で夏秋トマトと畑わさびを作っていらっしゃいます。
通常は、有梨沙さんひとりで行っていて、拓さんが力仕事など時々協力をされています。出荷時など忙しいときは、お母さんにも手伝ってもらっているとのこと。

寝る暇が無いくらい大変なこともあるが、楽しいから続けられている。自分が作っているトマトを買った方の「アンタの所のトマトはうまいのぉ」という言葉が励みになると、嬉しそうにおっしゃった有梨沙さんの顔と、その顔を見つめる拓さんの笑顔が印象的でした。


拓さんは山口市からの移住。
いちごづくりの会社で働いていたが、有梨沙さんを手伝いたいという思いから、2020年10月に会社を辞めて鹿野に来られました。今は鹿野で米作りをされています。
拓さんも農業の勉強をするため、農大に行っており、有梨沙さんとはそこで出会ったとのこと。

2020年7月、結婚。
「結婚生活は新鮮味がないが、トマトは新鮮です!」と有梨沙さん(笑)。
確かに新婚とは思えない老夫婦のような落ち着き。
でも、ラブラブなのは伝わってきます!
仲良しの秘訣は、「夫が全然怒らない」からですって!


○鹿野に来てどんな印象ですか?

有梨沙さんは、「昔よくお父さんに冬に遊びに連れてきてもらった。釣り堀にもよく家族と来ていた。ジビエ料理を食べに来たり、キャンプをしに来たりしていた。やはり雪のイメージが強かったです」と。

「住み始めて感じたのは、人が親切ということ」と拓さん。
地区の方が本当に親切で、畑に上がる坂道をならすために、ユンボを貸してくださったこともあったとおっしゃっていました。有梨沙さんがひとり暮らしをしていたときは、心配してよく気にかけてくださったとのことです。


○鹿野の良さ

「季節折々の景色。桜、紅葉、野生動物。フクロウにはテンションが上がった。星は特にきれい。ホタルもきれい。」

その時、突然、有梨沙さんが口を開きました。
「ホタルを見ながらプロポーズをされました。」

一同、「えーっ!(驚)」

話は続きます。
「高級レストランより良かった。」
拓さんは、サプライズをもくろんでいたらしいのですが、バレていたとのこと。
おまけに、指輪に結んであったリボンを外すのに手こずって・・・グダグダに(笑)

何だか幸せな気持ちになります。


○移住者を増やすために

「自分が移住してくる際、家を周南市の職員さんと一緒に探したが、なかなか見つからなかった」と有梨沙さん。住むところの確保が移住者を増やすためには不可欠なんだと感じました。
「あとは応援団が必要。自分たちは近所の方に恵まれ、トマト等の販売先やコミュニティの方たちがやさしくしてくださっているので、とても幸運だった」とも。


就農移住をされる方が、農業をやりやすい環境や住居を整えておくことはもちろん、人とのつながりやコミュニティに入りやすいムードを作ることも大切であると感じました。

心地よい陽差しと風と鳥の鳴き声の中、色々なご苦労を乗り越えたお二人の笑顔に力強さと優しさを感じました。

拓さん、有梨沙さん、お忙しい中、本当に貴重なお話をありがとうございました。