009-010 さゆ みゆ

さゆ みゆ

「心を治療できるまち、鹿野(笑)」

2022.2.19(土)、鹿野の地で育った高校三年生2人に話を聴きました。

2人の言葉を、思い出の地や鹿野の名所ともにお届けします。

左・みゆ 右・さゆ (鹿野中学校・左の建物/鹿野小学校・奥の建物)


○2人の出合いとわたしと2人の出合い

藤本:2人共ずっと鹿野なわけじゃないよね?何歳の時に来た?
さゆ:小学2年生の時にみゆが福岡から来た!で、なんか、最初カチューシャして来とって、なんかオシャレな子やなって。
みゆ:それでも鹿野に来るときは、ちょっと控えめなちっちゃいの付けてったけど、周りの子に、「えっ?」って。
さゆ:みんな話しかけよったよね、みゆに。「私、さゆいって言うんよね、みゆちゃんって呼んでいい?」って言ったの覚えちょる。
みゆ:えー!覚えてない。
さゆい:で、隣やったんよ、みゆの。
みゆ:へー。
さゆ:でも、そんな接点なかったよね?
みゆ:そうそう違う友達と遊びよった。
さゆ:ね。なんか男子とサッカーとかドッジボールみたいな。女の子たちは中で本読んだりとかしよって、そんなに接点なかったよね。
さゆ:小5でバレーボールを始めてから仲良くなった。
みゆ:そう、仲良くなった。
藤本:一緒に入ろうじゃなくて、別々で入ったんや?
みゆ:琴(妹)がバレーしたいって言ってて、私はどっちかって言うと見に行くだけみたいな。そんな乗り気じゃなかったんですよ。まぁでもお母さんがスポーツしてほしい、って言ってて。
さゆ:うちは、監督から誘われて、お姉ちゃんもバレーしよったし、妹もやりたそうやったけぇ、まあやろうかみたいな感じで。で、仲良くなったよね。
みゆ:うん。
藤本:あの頃まだアンダーサーブやったよね。写真が結構残っちょる。今、写真を見ても、このサーブは入らんなって感じ(笑)
さゆ・みゆ:(笑い!)

(スポ少時代)懐かしい(涙)

みゆ:でも、はじめからいましたっけ?
藤本:いや、途中から。
さゆ:福川南小で試合があったときに来とっちゃったんよ。で、誰このおじさん?って(笑)
藤本:俺、その時、コーチになる体で行ってないけぇね。
さゆ・みゆ:えー!
藤本:とりあえず1回見に来てって。行って、コーヒーいただいて、これ飲んだらコーチやらんにゃあいけんみたいになって。俺もね、純粋じゃから、それからコーチになったって感じ。
さゆ・みゆ:へー。

○2人の目に映る鹿野

藤本:鹿野って、どう?
みゆ:えーでもやっぱ、小さい子とか子どものうちは田舎の方がいいなって。
さゆ:絶対いい!
みゆ:自然の中の方が。
さゆ:なんか、高校とか行って感じたけど、みんな純粋やし、人数少ないし、仲良いけぇ、すぐ集まれるし。
みゆ:鹿野に来たら、
さゆ:平和よね。
みゆ:いっぱい治療ができる
藤本:都会?でボロボロになった心が治療してもらえる???
さゆ・みゆ:(笑い)
藤本:そうなんじゃ!
さゆ:子どもたち、純粋で。
藤本:すごいね!それは良いね。今の話めっちゃ良いよ!
さゆ:ほんとに!
藤本:心の治療ができるまちなんや、すげー!
さゆ:外部から何の影響もない。
みゆ:そうそう!
藤本:鹿野って、たしかに原風景って感じやもんね。
さゆ・みゆ:うん。

(ライオン岩)見えんけど・・・

藤本:特に小さい時、鹿野で過ごすと良いって感じ?
さゆ:自然がもう、いい!雪遊びとかも鹿野とかでしかできん。
みゆ:あんなにガチでできん。
みんな:(笑い)
藤本:たしかに都会の方は、汚い土とか合わせてやるけんね。
さゆ:そうそうそうそう。
藤本:鹿野とか真っ白い雪で遊べるもんね。
さゆ:まっしろ!
みゆ:純、雪!
みんな:(笑い)
みゆ:空も綺麗
さゆ:空めっちゃ綺麗!星やばい!ほんとにきれい。
藤本:星がきれいで、蛍の時期は蛍がおって、その2つが全部つながっとるみたいなこと言いよる人がおっちゃって。
みゆ:うん、ヤバい!とか鹿野じゃないと見れんと思う。
さゆ:なんか、そこら辺見たらおる。田んぼとか、あぜ道みたいなところにもおるし。
藤本:農薬使ったりせんしね
さゆ・みゆ:うん。
藤本:今言ったこと全部が、もうほぼ鹿野の魅力みたいなもんよね。
さゆ:たしかにたしかに!

(天神山)鹿野のまちが一望・・・できん


○帰ってこいよ~

藤本:今から他の所に出るじゃ。鹿野とか山口県に帰ってくる?
さゆ:うちは帰ってくると思う。
みゆ:わからん。いやなんか、帰らんやろうなって思っとるけど、結局帰ってきとるみたいな(笑)
さゆ:一回、何十年か外でやっとって、結局最後は帰ってくる?
藤本:そんな歳取ってから帰ってくるん?
さゆ・みゆ:(笑い)
みゆ:やっぱゆっくりできるし、落ち着けるから。
藤本:心にいっぱい傷つけて帰ってくる!?
さゆ:癒されに
藤本:ほんまに帰ってきて欲しい、せめて山口県にはね。
さゆ:ずっと山口県おるけぇ。就職も山口県にするし。
藤本:あーそっかそっか。在宅系の看護師として就職することになる訳?
さゆ:いや、訪問助産師になろうと思ってて。鹿野とか、今、過疎地域が多いじゃないですか?じゃけぇ過疎地域の在宅医療とか学んで、妊婦さんがあんまり通ったりできんから、そういう所に出向いて、助産師の仕事するっていうのをやりたいなって思って、在宅医療が盛んな看護学校に行くんですよ。
藤本:そうなんや。
さゆ:で、鹿野におってそういう問題が分かったけぇ、将来につなげようかなって思って。
藤本:鹿野でやるってこと?
さゆ:鹿野みたいな過疎地域でやろっかなって思って。

(漢陽寺)住職は鹿野中バレー部のコーチです

藤本:みゆも、せめて山口県内に帰ってきてね。傷つく前に(笑)。
さゆ・みゆ:(笑い)
藤本:例えば、結婚するってなったのをきっかけに、山口県に帰って子どもを産めば、人口が増えるけぇね。その頃には、鹿野がめちゃくちゃ暮らしやすいまちになっちょるから、じゃあもうついでに鹿野でって。
さゆ・みゆ:(笑い)
藤本:災害が少ないしね。
さゆ:災害少ない!台風も無いし地震も少ないし、いろんな面で良い。山口でよかった、よかった、よかった。
みんな:(笑い)
藤本:あー、良い話が聴けたな。
みゆ:何しゃべったか忘れた・・・。
さゆ:すぐ忘れるー!
みんな:(笑い)
藤本:オッケー!オッケー!ありがとう。


○最後に

人は、「つ」が付く歳までに人としての素地ができると言います。つまり、「九つ(ここのつ)までにどんな教育を受けるかが大切だと言うことです。

この2人と久しぶりに会ってみて、その意味がよく分かりました。

親御さんや出合った人たちに恵まれたこともあるでしょう。彼女たちのポテンシャルもあるでしょう。それに加えて、鹿野で「つ」の付く大事な時期を過ごしたことが、彼女たちの素直な心や明るさ、人を大切にする気持ちを育んだことは間違いないでしょう!

これから、2人がさらに飛躍していくことは確信しています。

ただ、不安や葛藤、憤りや焦燥などなどが目の前にやってくることは避けられません。
そんな時は、鹿野で過ごした日々、鹿野の風景、鹿野で出合った地域の人たちの温かさを思い出してほしいと思います。

なぜか?それは、2人のふるさと鹿野は「傷ついた心を治療するまち」だからです。直接来なくても、心に思い浮かべるだけで、その効能は効き目があるはず!

今回は、卒業間際の忙しい時に、本当にありがとう!良い思い出ができた!
さゆとみゆのハッピーを心から願っています。

Good Luck!

(ふくしの寺子屋動画撮影会)