インタービュー001 服部 恭弥 さん @ |
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服部恭弥さんの経歴等 |
●現職
ケアポート徳山 代表取締役
東亜大学 講師
●委員、役員等
日本社会福祉士会 理事
周南市社会福祉協議会 理事
他多数の理事や委員をされています。
そんな多くの顔を持つ服部さんのルーツから現在、そして独自のコミュニケーション術まで、他では聴くことのできない興味深いお話を余すことなくお伝えします。
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現場の感動とかやりがいっていうのが全く消えちゃってるよね
伊:このインタビューを見た方が、「福祉や介護の仕事をもうちょっとやってみるかな」、「資格とってみようかな」という気持ちになってくれたらイイのに、というのが僕の希望です。よろしくお願いします。 |
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服:福祉の職場にストップをかけてる一つが高校。高校の進路指導で「福祉は儲からんから行くな。もし行くなら医療に行け」っていうのがあって、それでかなり減ってる。で、マスコミの介護職の待遇の悪さっていうのもあって・・・。 |
伊:あ〜、3Kみたいな。
服:その辺が結構足止めになって、未来とか夢を持つとか、すごいやる気のある福祉職というのが消えてしまって、辛いしか先行してないのが最近の福祉事情だよね。これはもう全国的なものだよね。本当にソーシャルワーカーとかケアワーカーとかケアマネージャーの本当の感動とか現場の感動とかやりがいっていうのが全く消えちゃってるよね。
藤:逆に不景気な世の中だから、取り合えず福祉に行っとけっていう風潮もあるんですよ。だから、行くなっていうのと、とりあえず行けって言う人とで、結局本当に福祉を心からやりたいって言う人が少ないんですよね。
服:確かにね。
藤:とりあえず安定してるから行っとけっていう親の薦めっていうのもあったりするから。
伊:そういう考え方もね〜。あるわけよね。
藤:そういう話を聴くとめちゃくちゃ腹も立つじゃないですか、やっぱり福祉が好きで入ってる人間としては。内心穏やかじゃないですよね。
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服:僕なんかも福祉職にあこがれて入ったんよね、この世界に。まぁ、自然に実家を継ぐっていうのもあったけど、なんとなく福祉の方に惹かれたっていう面があって、福祉の活動している人とか周りに集まってくる人とかが、生き生きと活躍してて、その人たちが組み立てていく色んなイベントが、すごく感動をプロデュースするっていうのを感じて、この職業いいなーと思って。
伊:あー、プロデュースね。 |
服:だから僕は社協マンにすごく憧れてた。で、一緒にボランティアをしたり、後は阪神大震災とかのボランティアに行ったのもそういうようなきっかけもあっただろうし、本当に夢があって、そのへんから福祉職になれたらなと思ったのかなと思って。
伊:でそこからまた、資格を取ってガーっと福祉の仕事に?
服:そうですね、資格を取ったのといいなーと憧れてた半面、行くとこないから福祉かなっていうのが僕の中でも実はあって。僕は大学が経営学部で4年間経営の勉強をしてて、就職活動の頃ちょうど氷河期に入ったわけ。どうしようか迷って、福祉の勉強をするために、専門学校1年コースに行った。1年を過ぎたところでちょうど老健のオープニングスタッフで福祉の世界に入った。福祉職に憧れててなりたかった面と、自動的にどちらかというとマイナス面、つまりポジティブな部分とネガティブな部分の2つがあって福祉の世界に入ったんよね。
藤:結局、いずれも福祉に繋がってたってことですよね。
服:まあまあ、そうなんだけどね。
藤:運命みたいなもんですよね。
服:なんとなくそうなったんかね。そこまでソーシャルワーカーってのを意識したわけじゃなかったんだけど。でも社協マンにはすごく憧れていた。大学卒業でも社協マンになれるかなっていうのがあった。そのころ資格とか別に社協マン自体が持ってない時代だし、社会福祉士もそんなにまだ広がってるわけじゃなかったんで。社協に入ったり、県社協もいいなとか思ってた。
藤:確かに、社会福祉士は歴史的にまだ浅い資格ですよね。
服:うん。まだまだ浅い。今からよね。丁度今社会福祉士なんかで25年経ったんで、そろそろ中堅職員以上が出だしてきてて、各施設長に社会福祉士ですっていうのもそろそろ出てきたなっていう。 |
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藤:有料とかだったら、そういう介護福祉士、社会福祉士とか持ってる人が施設長してるっていう話が出てくるかもわからない。社会福祉法人はまだですね。
服:ぼちぼちだね。そろそろ出てくる。
藤:出てきますかね。
服:何人かには会ったことあるけどね。
藤:まだまだ専門職じゃない方も多いですからね。要は「してあげる福祉」の感じなんですよね。
服:その通り。完全に昔からの、施しの福祉よね。ほんと戦後すぐの施しの福祉の流れをずっときてて、どちらかというと、首きられ役よね。なんか問題でたら腹きってって感じよね。
藤:現場も求めてますよね。現場から上がった人がトップになって欲しいっていうのは。
服:うん。現場からのたたき上げよね。
伊:そうですよね。
ケアマネのアンテナってすごく重要だなと思って
藤:そう言えば、社会福祉士のカリキュラムが変わりましたよね。
服:13科目だったのが17科目まで増えてる。
藤:成年後見とかも一つの教科書になってますよね。
服:そう。だから法学がなくなって、成年後見に。で、成年後見にプラス更生保護とか就労支援の部分とか、福祉経営がでてきて。今後福祉職にはこういうことが求められるんだっていうのが分かる。 |
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伊:だんだん難しくなるんですね。
服:今までの福祉のイメージは、福祉六法の範囲、生活保護法、児童福祉、障害、高齢っていうのがあったけど、今はそこからものすごい福祉の範囲が広くなっていて、ホームレス問題も福祉の問題だ、自殺も福祉の問題だという感じになっている。
藤:受刑者もありますよね。
服:受刑者もあるよね。地域復帰も福祉、あとスクールソーシャルワーカーも入ってきたり。
藤:子どもというか学校関係、教育関係もですよね、もう。
伊:すごく広いですよねフィールドが。
服:まさに縦割りの福祉からほんとに横に幅広い福祉になってきたっていうのがね。
藤:外国なんかだったら、ソーシャルワーカーって言ったらかなりの権限を持ってますよね。
服:アメリカのソーシャルワーカーなんか、校長先生と同格だからね。
伊:へー、それはすごい。
藤:社会的地位を上げんといけんっていうことですよね。でも、こんだけ福祉ニーズが幅広くなってくると、ちょっとずつはかじっとかないといけないけど、どっか専門見つけないと、スキルを上げていくのは難しいかなというのもありますよね。
服:ちょっと医療と似たようなところがあって、開業医っていうゼネリックな立場と、専門医っていうスペシャリックな部分、両方をやっぱり持っておく必要があるんだろうなっていうのがね。
藤:確かに。難しいと思います。
伊:でも今からはね。
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服:今、家庭内のいろいろな問題を引き出してきたのは、どちらかというとケアマネだし。ケアマネがそうやって家に始めて担当で入って、そしてモニタリング、アセスメントしていくうちにあれ、あれって、ここの世帯なんで40歳の息子さんいるのに無職、そういえば奥に閉まってるところあるよね。うわー閉じこもりだ。みたいな。自宅に担当を持って初めて日本で入るのはケアマネが始めてじゃないかな。だから、ケアマネのアンテナってすごく重要だなと思って。
藤:確かにそうですね。 |
伊:入っちゃいますからね、家の中に。
藤:そうですね。入る権利がきちんと持てるから。社福とかだったらなかなか権限が・・・。いきなり初対面の人とか何しにきたんみたいな感じは確かにあります。
伊:そこから崩していかんといけんですけどね。
服:でも在介、包括ってやっぱり突入していく部分が多いよね。
藤:「こういう人がおるんじゃけど訪問してくれんか」って言われるじゃないですか、その時の緊張感ったらありゃしないですよね。どんな人かも全然分からないし、でもこれが楽しいいんですよね。本当に楽しいんですよ。その緊張感が。
服:今まではそういう役割を保健師さんがやりよっちゃったんよね。県とか市のね。それが高齢分野は在介とか包括になってきて。
藤:保健師さんとかのほうがまだ入りやすいでしょうね。市とかの。
服:突破口を開くのは保健師さんだって。で、後ろからそのままソーシャルワーカーが入って行って、そこからつないでもらって。
藤:そこから開いていく。いやほんと保健師さんはすごいですよね。
伊:高齢者の受け入れもなんかね、違いますよね。 |
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藤:行政っていう看板っていうのは入るときには役に立ちますよね。
服:安心感もあるし。普通の行政マンが入ってくと抵抗があるけど、保健師さんだと別に来ても悪くないしっていうのが。
伊:血圧なんかを測っただけでもね。あの武器はすごいと思う。ならではですね。
服:最近は、包括のソーシャルワーカーとかいろんな職種、保健師さんとかケアマネもすごいなっていう風に思う。
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@ A B C
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